iKKさんの場合:「仏検とDALF 一石二鳥?それとも二兎一兎?」
私はDALF試験に初挑戦するつもりで、東京日仏学院のDALF講座を受講していました。出願時に、隣にあった仏検のポスターを見てダブル受検を思い立ちました。DALF講座では多くを学びました。週1回2時間の授業をペースメーカーにして、あと は自習で補いました。ユーモアあふれる先生に毎週のように叱咤激励され、テンポ良く勉強できる環境にあったことは、非常な幸運と思います。自習の内容は次のようなものです。
―図書館で仏語の雑誌を借りる。ジャンルを問わず量で借ります。2週間で返却し、次に入荷したものをまた借ります。気に入った記事があったらコピー。
―ボキャブラリーノートを作る。文字は太字で書くと忘れにくく、あとあとまで使えます。単語ひとつでも品詞を違えたり、語源、類義語、対義語を探したり、用例のパターンを記すなどすれば、有機的なつながりができるような気がします。
―NHK World French を聞く。
―参考書を利用する。「時事フランス語/東洋書店」「時事フランス語 読解と作文のテクニック/大修館 書店」「ビジネスフランス語/大阪日仏文化センター」「仏検公式問題集/フランス 語教育振興協会」「東京日仏学院通信講座DALFコーステキスト」「Réussir le DALF/Didier 」「Que dire et qu’offrir en toutes circonstances/Editions de Vecchi」 「Le français du monde du travail」など
―筆記試験の過去問題は試験2週間前に解く。解答例をみると、正解はかならずしもひとつではないことがわかります。限られた時間で多数の例に接すると、おのずから許容範囲の判断がつき、減点を少なくできるのではと考えました。制限時間内に答案をまとめ、チェックを繰り返します。
仏検の二次試験対策は、以下のような準備をしました。
―できるかぎり、設問を考える。審査員になったつもりで、問われそうなテーマを考えました。過去問で傾向は知れますが、傾向は変わるものです。また日本の会場とパリ会場では設問のあり方が違うとも感じました。
―試験時と同じコンディションでリハーサル。エクスポゼの時間は3分と限られた時間ですから、その長さの感覚を体でおぼえてしまうのが早いようです。その後の質疑応答に関しても、ふだんから、「次に聞かれそうなこと」を予想する癖をつけておくとよいかもしれません。 試験を終えた感想:フランス語力を問う試験でありながら、仏検とDALFはまったく別物だと感じました。 試験時に使うのは仏検では鉛筆と消しゴム、DALFはボールペン。審査基準の詳細を分析し、最適なアプローチを考えるのが合格の近道と実感したので、これから受検される方には過去問の解説欄の熟読をおすすめします。
仏検で求められるのはきめの細かさです。名詞構文の書き換え問題は、広い文法知識と深いボキャブラリーが問われますし、正誤問題の設問などは部分否定が多いので限られた時間内で判断するのは大変でした。日々の多読でカンを養うのが早道でしょう。